現在作成中である射的ゲームの銃ユニット用に、赤外線を周期的に(矩形波で)出力するモジュールを作成する。

電源

まず必要な電圧・電流を調べる

今回使う赤外線LED → 5mm赤外線LED 940nm OSI5FU5111C-40 (5個入): LED(発光ダイオード) 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

赤外線LEDの絶対最大定格

  • 最大順方向電流 If : 100mA

赤外線LEDの電気的特性

  • 順方向電圧 : If=100mAの時 代表値 1.35V、 最大値 1.6V

If=100mAとなっているが(なかなか高出力…)、50%の50mAが流れるように設計する。

電源の選定

50mA流しても大丈夫 + 1.35V以上を確保できる電源を選ぶ。

値段等も考えると、1000円でバッテリー+電池保護+電源管理がついてるPowerCが自分にとって使いやすそう。
M5StickCは使わないので、BATピンだけ活用する。

PowerCの給電周りの仕組みについては公式ドキュメントM5StickCのバッテリー拡張HATをためす – Lang-shipを参考にさせていただいた。

安定化

定電圧をとるために3端子レギュレータをかます。

低飽和型レギュレーター 3V500mA NJM2884U1-03: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販とかでよさそう。
→ ip3005のデータシートによると2.5V付近まで落ちるみたいなことが書いてあるので、これだとバッテリ残量少ないときダメそう。

秋月で買えるやつでベストそうなのは低ドロップレギュレーター 2.5V1.5A LT1963AES8-2.5: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販。これを使う。
だいぶいいやつなので高い…(1個200円)。

赤外線出力

矩形波生成

矩形波(方形波)発生回路の理論的な理解 - 電子工作で覚える!電子回路を参考にさせていただく。
上記サイト中の式

$$ T = 1.386 \times C_1R_4 $$

において、\(C_1 = 0.1 \mu F\)に固定した場合、

$$ R_4 = \frac{T}{1.386} \times 10^{7} $$

今回は周期\(T\)を2ms, 4ms, 6ms,…と変更できるようにしたいので、\(R_4=14.43k, 28.86k, 43.29k, …\)のような値をとれる必要がある。
以下のような回路にすれば恐らくスライドスイッチで周期を管理できる(ショートする危険性があるので本当はよろしくないが)。

スイッチング

赤外線LEDに流れる電流はトランジスタで増幅させる。
トランジスタはリッチにトランジスタ TTC004B 160V1.5A: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販を使う。

諸々抵抗値の計算はトランジスタ(NPN)の使い方 [Arduino]を参考にさせていただく。

データシートより\(h_{FE}=140\)(\(I_C=0.1A\))として諸々計算する。
ベース電流 = 50mA(負荷に流すコレクタ電流) ÷ 140(\(h_{FE}\)) = 0.357mA
ベース抵抗 = 2.5V(ベース電圧) - 1.0V(ベース・エミッタ間飽和電圧) ÷ 0.357mA ≒ 4.0kΩ
エミッタ抵抗は他のサイトの例も見つつ、とりあえず10kΩにする。

基板設計

KiCadを使って回路図、パターン図を作成する。

回路図

パターン図

3Dイメージ

プリント基板発注、実装

今回はElecrowでプリント基板を発注した。

スケジュールとしては以下のような感じだった。
5/30:発注 → 6/5:発送 → 6/8:到着

代金は5枚の注文で2113円だった。うち4分の3が送料(OCS)なので、少量注文だとかなり割高になる。

プリント基板が届いたので、部品を実装する。

PowerCとの接続部分のピン配置を間違っていた。悲しみ。
とりあえずジャンパ線でなんとかした。

動作確認

出力電圧をデジタルオシロADALM2000を使って確認する。

周期の誤差は10%~15%ほど出ていそうだが、まあそれっぽい電圧は出ている。

ハマったところ

最初、オペアンプにNJM4580DDを使ったのだが、低電圧時が0Vでなくて1.3Vくらいになっており、高電圧時も2.5V出ていなかった。
データシートを見ると、このオペアンプは最大出力電圧=電源電圧ではないらしい。
出力電圧=電源電圧としたい場合は入出力フルスイングオペアンプというものを使う必要があるらしく、最終的にNJM2732Dを使った。

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